ミーちゃん


 我が家にもミーちゃんがいる。
 10年以上前に、ボクが拾ってきた雑種ネコ(♀)だ。

 決してボクにはなつかない。
 昔、可愛がりすぎたせいだろう。ネコのくせに、記憶力だけは大したもんだと思う。

 もしもネコ語が話せたら、
 「ボクが拾ってきてやらなかったら、オマエはもう死んでたかもしれんぞ。ありがたく思え。ウヒャヒャヒャ。」と100万回は言って聞かせると思う。

 でもきっとミーちゃんは、ネコ語でこう言うんだろう。
 「まじウザイな、オマエ。」って。

 だから、ネコ語がわかったら、ボクはミーちゃんをぶってしまうかもしれない。親にもぶたれたことのないミーちゃんを。

 ナデナデすると、ミーちゃんは手加減なく、ボクの手をかじる。
 ネコとは言え、かなり痛い。
 一瞬キレそうになるほど・・・

 そんな殺意に気づいてかどうかは知らないが、ミーちゃんは、自分が噛んだところを、今度はペロペロ舐めてくれる。

 そんないたいけな姿を見ると、痛い手のことは忘れ、なんて心優しいネコなんだろうって感動する。
 変なところで、ボクは親ばかになるのだ。
 そして今度は、ペロペロ舐めてもらうために、わざと噛ませたりもする・・・

 なんだか、言葉にすると、
 自分がどんどんバカヤロウになっていく。

 もうやめよう。

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