「こんな早くにテレビ電話ができるようになるなんて・・・」
「スカイプ」を初めて使ったときの感動はそんなものだった。だけど便利な環境って、いつものように一瞬にして慣れてしまう。
無料でこんなサービスが受けられるなんて。なんたる費用対効果って思うのだけど(;´w`)
テレビ電話って、ボクの感覚ではいつまでも、「この時代にあるはずのないモノ」だったんだ。
だけど、それが今、目の前にある。
「この時代にあるはずのないモノだったはずのモノ」の中の彼女と、ボクは普通に話をしている。本当なら、今、ここにいるはずのない彼女の、少しアンニュイな表情は、けっこう魅力的だったりする。
もしもテレビ電話がなかったら、車を飛ばして彼女に会いに行っていたかもしれない。彼女の写真を眺めながら、携帯に電話していたかもしれない。
だけど、猛烈なテクノロジーの進歩は、ボクが現に彼女と対面しているかのような幻想を、とってもリアルにつくりだしてしまった。
テレビ電話ってすごい。
だけどテレビ電話を切るときって、なんだか妙な感覚に襲われる。
今まで目の前にいた彼女が突然消えていなくなるようなショッキングな感覚。
または、「終末」が突然訪れたような瞬間的な虚脱感・・・
テレビ電話のなかで、ナチュラルに、イルカのチョロQで遊んでいた彼女は突然消えていなくなり、ナチュラルにマグナムドライを飲んでいたボクは、しばらくぼーっとして、大抵5分間は放心状態になる。
うまく言えないが、なんだかボクはその5分間が、「この時代にあるはずのないモノ」が引き起こす副作用に思えて仕方がない。
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