<明治の雑誌・斜め読み>
◎ 『實業之日本』明治三十九年五月号
新時代の生活特集を読むと、その中の一項目に英国人ジョン・ラボック述の「詩歌の楽しみ」があり、
次のような文がある。
<詩歌はしばしば絵画彫刻に比せられる。シモニデの言にいわく「詩歌は有声の絵画にして、絵画は無
声の詩歌なり」と>。
<人の寿命は詩歌の快味を賞して延ばさるべし。詩歌ほど人に楽天を与ふるものなし。之を味はひて人
生の憂鬱に対抗すべき道を求めざるは愚なり。また一方より見れば「人生は動きつつある詩歌なり」と
いふにあらずや>
◎ 雑誌「太陽」創刊号 明治二十八年一月号
明治二十年から二十六年にかけてのわが国の全人口と百歳以上の男女別人口が載っている。
それによると当時の全人口は約4100万人余で、現在のほぼ1/3、途中大きな戦争が幾度かくり
返されたとしてもこの百年あまりで三倍である。
一方、百歳以上のお年寄りの数は下記のようであった。
明治20年 21年 22年 23年 24年 25年 26年
男性 10人 19人 19人 20人 25人 16人 24人
女性 43 50 65 76 86 66 74
こうしてみると、今も昔も女性の方が長生きをするのは変わっていないのだと思う。
いずれにしても一世紀を生き抜くというのは素晴らしいことであり、一人でも多くの方がその仲間入
りをされるよう願いたいと思う。
◎ 「中學世界」明治三十二年九月臨時増刊号(青年文壇)
内外彙報欄に<英国人フラスグリーン氏は多年苦心の末、現今の印刷機械にインキを使用せず電気の
力を借り印刷するの術を発明し>とあり、さらに<発明者の言によれば紙をして電流に感ぜしむるよ
う化学上の作用を施すことと普通の陰陽両極の依り電流をその紙とダライ盤、シリンダーとの間に生
ずることとが即ちこの発明の最要点にして・・・>という紹介記事が載っている。
今でいうコピー機みたいなものを素人の私などは想像してしまうのだが、はたしてどんなものだった
のか、なにしろ百年以上昔の話だから確かめようもない。