FolderFileListマニュアル

FolderFileListのマニュアル

Ver. 1.10
2008/12/16

概要

フォルダを選択するツリービュー／ドロップダウンリストと、ファイルを選択するリストビュー、それらの操作に使うツールバーです。
それぞれ単独でも使用できますが、各コンポーネントは連携できます。
ツリービュー／リストビューでは複数選択可能です。
TCustomTreeView／TCustomComboBox／TCustomListView／TToolBarから派生しています。

利用時の注意

本コンポーネントを利用するプロジェクトにおいて、下記の設定が必要です。

プロジェクトオプションの条件定義（マクロ）：NO_WIN32_LEAN_AND_MEAN
ライブラリの追加：$(BCB)\lib\Psdk\shlwapi.lib
リソースの追加(Bitmap)：添付の OverlayHidden.bmp, ToolBar-Normal.bmp

TFflShowHidden

隠しファイルの表示方法を指定する列挙型です。

シンボル	値	説明
flhConformExplorer	0	エクスプローラの設定に従う。
flhForceHide	1	エクスプローラの設定に関係なく、常に非表示。
flhForceShow	2	エクスプローラの設定に関係なく、常に表示。

TFflToolBarButton

ツールバーのボタンを識別する列挙型です。

シンボル	値	説明
fltSelectParent	1	「1つ上のフォルダへ」ボタン。
fltViewStyle	3	「表示メニュー」ボタン。

TFolderTreeView

説明

フォルダ構造をツリー表示し、アプリケーションユーザの選択したフォルダ名を返すコンポーネントです。
エクスプローラの左ぺインに表示されるツリーと同等です。
ファイルリストビューTFileListViewとの連携が可能です。
汎用コンポーネントとして下記の特徴があります。

ファイルもツリーに表示するように設定することも可能。
用途に応じて、ファイル保存場所として適当でない要素（コントロールパネルなど）を含めることも可能。
隠しファイルの表示方法を指定できる。エクスプローラの設定を無視することも可能。
ショートカットをダブルクリックすることで、リンク先への移動が可能。
フォルダも複数選択できるように設定可能。

継承

TObject - TPersistent - TComponent - TControl - TWinControl - TCustomTreeView - TFolderTreeView

独自プロパティ

メンバ名	型	説明
EmphasizeFocus	bool	フォーカスのあるノードを強調表示するか否かを指示。
FileListControl	TFileListView *	関連付けられるファイルリストビューを指定。
FolderName	AnsiString	フォーカスされているフォルダ／ファイルのパスを表す。
Folders	TStrings *	選択状態のフォルダ／ファイルのパスを表す。
IncludeFile	bool	ツリーにファイルも表示するか否かを指示。
OnlyFileSystem	bool	ファイルシステムに属する物だけを表示するか否かを指示。 trueの場合、ファイルオープンダイアログの「ファイルの場所」に表示される物と同等になる。
ShowHidden	TFflShowHidden	隠しファイルの表示方法を指示。

独自メソッド

宣言	説明	戻り値
__fastcall TFolderTreeView(TComponent* Owner);	コンストラクタ。	生成されたインスタンスへのポインタ。
__fastcall ~TFolderTreeView();	デストラクタ。	なし。
void __fastcall Refresh(void);	ファイルシステムよりファイル情報を再取得する。	なし。
void __fastcall Deselect(void);	選択を解除し、何も選択されていない状態にする。	なし。
void __fastcall SelectParent(void);	選択されているフォルダの、親フォルダを選択する。	なし。

独自イベント

イベント名	型	説明
OnChange	TNotifyEvent	選択フォルダ／ファイルの変化があったことを通知する。

注意事項

TTreeViewにある直接ツリーノードを操作する手段は使えません。
初期状態で特定のパスを選択したい場合、FolderNameプロパティにパスを設定してください。
MultiSelectプロパティがtrueの場合、複数のフォルダ／ファイルを選択できます。選択されている個々のフォルダ／ファイルのパス名はFoldersプロパティで取得できます。FolderNameプロパティのフォルダはフォーカスがあることを示すだけで、選択されているとは限りません。
IncludeFile=falseでもショートカットが表示されるのは仕様です。
OnChangeイベントの型は、基底クラスTCustomTreeViewの同名イベントと異なります。

既知の問題

MultiSelect=trueでCtrlキーを押しながらフォルダをダブルクリックすると、選択状態がFoldersプロパティに正しく反映されないことがあります。基底クラスTCustomTreeViewのSelections／SelectionCountにも反映されないので、対処できませんでした。

TFolderDropDown

説明

フォルダ構造を反映したドロップダウンリストを表示し、アプリケーションユーザの選択したフォルダ名を返すコンポーネントです。
ファイルオープンダイアログなどの「ファイルの場所」コントロールと同等です。
ファイルリストビューTFileListViewとの連携が可能です。
汎用コンポーネントとして、下記の特徴があります。

用途に応じて、ファイル保存場所として適当でない要素（コントロールパネルなど）を含めることも可能。
隠しファイルの表示方法を指定できる。エクスプローラの設定を無視することも可能。

継承

TObject - TPersistent - TComponent - TControl - TWinControl - TCustomListControl - TCustomCombo - TCustomComboBox - TFolderDropDown

独自プロパティ

メンバ名	型	説明
FileListControl	TFileListView *	関連付けられるファイルリストビューを指定。
FolderName	AnsiString	選択するフォルダ／ファイルのパスを表す。
OnlyFileSystem	bool	ファイルシステムに属する物だけを表示するか否かを指示。 trueの場合、ファイルオープンダイアログの「ファイルの場所」に表示される物と同等になる。
ShowHidden	TFflShowHidden	隠しファイルの表示方法を指示。

独自メソッド

宣言	説明	戻り値
__fastcall TFolderDropDown(TComponent* Owner);	コンストラクタ。	生成されたインスタンスへのポインタ。
__fastcall ~TFolderDropDown();	デストラクタ。	なし。
void __fastcall SelectParent(void);	選択されているフォルダの、親フォルダを選択する。	なし。

独自イベント

イベント名	型	説明
OnChange	TNotifyEvent	選択フォルダ／ファイルの変化があったことを通知する。

注意事項

TComboBoxにある直接リストアイテムを操作する手段は使えません。
ツリービューと異なり、ドロップダウンリストでは複数選択はできません。そのためTFolderTreeViewの下記の機能は、TFolderDropDownにはありません。
- 複数選択に関するプロパティ：MultiSelect, MultiSelectStyle, Folders
TFolderTreeViewと異なり、リストにファイルを含めることはできません。そのためTFolderTreeView::IncludeFileと同等のものはありません。
常にいずれかのフォルダが選択されているので、TFolderTreeViewと異なり、Deselect()メソッドはありません。
FolderNameプロパティを設定する毎にフォルダ構造を再取得しますので、TFolderTreeViewと異なり、Refresh()メソッドがありません。

TFileListView

説明

ファイルのリストをアイコン表示し、アプリケーションユーザの選択したファイル名を返すコンポーネントです。
エクスプローラの右ぺインに表示されるリストと似たようなものです。
フォルダツリービューTFolderTreeView／フォルダドロップダウンTFolderDropDownとの連携が可能です。
汎用コンポーネントとして下記の特徴があります。

フォルダを含めないように設定可能。
用途に応じて、ファイル保存場所として適当でない要素（コントロールパネルなど）を含めることも可能。
隠しファイルの表示方法を指定できる。エクスプローラの設定を無視することも可能。
フォルダやショートカットをダブルクリックすることで、リンク先への移動が可能。

継承

TObject - TPersistent - TComponent - TControl - TWinControl - TCustomListControl - TCustomMultiSelectListControl - TCustomListView - TFileListView

独自プロパティ

メンバ名	型	説明
FileName	AnsiString	フォーカスされているフォルダ／ファイルのパスを表す。
Files	TStrings *	選択状態のフォルダ／ファイルのパスを表す。
Filter	AnsiString	ファイルマスクとして使用するフィルタを指定。
IncludeFolder	bool	リストにフォルダも表示するか否かを指示。
OnlyFileSystem	bool	ファイルシステムに属する物だけを表示するか否かを指示。 trueの場合、ファイルオープンダイアログの「ファイルの場所」に表示される物と同等になる。
ShowHidden	TFflShowHidden	隠しファイルの表示方法を指示。

独自メソッド

宣言	説明	戻り値
__fastcall TFileListView(TComponent* Owner);	コンストラクタ。	生成されたインスタンスへのポインタ。
__fastcall ~TFileListView();	デストラクタ。	なし。
void __fastcall Deselect(void);	選択を解除し、何も選択されていない状態にする。	なし。
void __fastcall Clear(void);	すべてのファイル／フォルダの表示を削除する。	なし。

独自イベント

イベント名	型	説明
OnChange	TNotifyEvent	選択フォルダ／ファイルの変化があったことを通知する。

注意事項

TListViewにある直接リストアイテムを操作する手段は使えません。
初期状態で特定のパスを選択したい場合、FileNameプロパティにパスを設定してください。
MultiSelectプロパティがtrueの場合、複数のフォルダ／ファイルを選択できます。選択されている個々のフォルダ／ファイルのパス名はFilesプロパティで取得できます。FileNameプロパティのファイルはフォーカスがあることを示すだけで、選択されているとは限りません。
OnChangeイベントの型は、基底クラスTCustomListViewの同名イベントと異なります。

TFolderFileToolBar

説明

TFolderTreeView／TFolderDropDown／TFileListViewをアプリケーションユーザが制御するためのコントロールをまとめたコンポーネントです。
ファイルオープンダイアログなどの右上にあるツールバーと同等です。
TFolderTreeView／TFolderDropDown／TFileListViewとの連携を前提にしています。

継承

TObject - TPersistent - TComponent - TControl - TWinControl - TToolWindow - TToolBar - TFolderFileToolBar

独自プロパティ

メンバ名	型	説明
FolderControl	TWinControl *	関連付けられるフォルダツリービュー／フォルダドロップダウンを指定。
FileListControl	TFileListView *	関連付けられるファイルリストビューを指定。

独自メソッド

宣言	説明	戻り値
__fastcall TFolderFileToolBar(TComponent* Owner);	コンストラクタ。	生成されたインスタンスへのポインタ。
__fastcall ~TFolderFileToolBar();	デストラクタ。	なし。

独自イベント

イベント名	型	説明
OnClick	TFflTBClickEvent	ツールバーのいずれかのボタンが押されたことを通知する。
OnViewStyle	TFflTBViewStyleEvent	表示メニューのいずれかの項目が選択されたことを通知する。

注意事項

TToolBarから派生しているため、TToolBarでpublishされているプロパティ・イベントは、TFolderFileToolBarでもpublishされています。ヘルプに記載されていないプロパティは、TFolderFileToolBar内部で使用しています。設計時および実行時にこれらの値を変更した場合、動作を保証できません。