<<秋桜>>
渇いた電子音の中
いつも同じ時刻に現れる 愛の言葉達
温かい気持が流れ出してきて
静かに車輪が回り出す
冷たい毎日を何となく生きてきた
此処だけが僕の天国
心が聴けない淋しさを
言葉で埋めることができるのだろうか?
僅かなことしか叶わない
制限された暮らしの中で
去りゆく人は振り返らない
そう呟くスクリーン越しの貴女が
無くなりそうで震える夜
強がりな貴女の笑顔
これからも大切に守っていくから
もう僕だけを見ていて
冷たい毎日の中の
僕に咲いた一輪の秋桜だから