新しい試み


夏に
こうじ菌の培養に失敗して以来落ち着いていた
”微生物で遊ぶ発酵病”が再燃している
パンや味噌を作りながら
日常的に”発酵”とかかわりつつ
菌も手作りしたい願望に駆られ
まずは春に発酵肥料つくりから有用菌の培養をはじめたが
何度も失敗を繰り返しながら
菌たちと上手く付き合う方法を徐々に理解しつつある

さて
このところいつもお世話になっているバラのサイトで
「自家製酵母で焼くパン」が話題になっており
いまだ経験のない酵母菌の採取に
わたしもトライしたいとそわそわする日々・・・

どうやらブドウをはじめ
色々な果物で酵母菌は採取できるようだが
まず基本はレーズンからはじめるのが良いらしく
材料を入手しなくてはと思っていたら
干し柿用に渋柿をたくさんいただいた

母と一緒にせっせと皮をむき
外はあいにくの雨なので
とりあえず廊下のてすりにぶらさげる



おぉ〜、壮観な眺め!

むきながら
この渋柿から酵母菌が取れないものかと考え
さっそく手頃なビンを探す
戸棚には少し小さめのビンしかなかったが
まあ入れる材料を減らせば良いかな
と考えてスタート

まずはビンを熱湯消毒し
一度沸かした水を常温まで冷ましてから
皮ごと刻んだ渋柿を一緒に入れる
発酵の適温は20〜25度
この時期ならこのまま放っておくだけでいい

一日に一回はガス抜きをするのだが
こういう場合必ず
一回とはいわず何度でもふたを開けてみたくなる
きっとそのうち酵母菌が繁殖して良い香りが〜
の予定が
この中味、なんだかくさい、、、
ああそうそう、このビンは以前ラッキョウを入れていたものだ
だからこのにおいはラッキョウの酢漬けのにおい
うわぁ、、ラッキョウくさい酵母ができあがってしまうかも??(汗)

わたしのやることは
まずこうして”はじめに失敗ありき”
渋柿はまだあるからやり直そうと考えて
ビンがないから困ったなと思っていたら
戸棚の奥を見たらちゃんとちょうどいいのがあった
あらまあ・・
いつもお財布と鍵の行方を探しているわたしは
使ったものを同じ場所に返さないことが多々あるのに加えて
探し方もいいかげん。。。

さあ、気を取り直してもう一度チャレンジ
熱湯消毒後、ビンをにおってみても
今度は何のにおいもしない
こうして酵母菌培養のビンは2つになった



右が昨日作ったラッキョウくさい方
水は白濁して
柿の表面にも白いものが付き始めている
これが酵母なのか
あるいは失敗なのか
失敗の場合はひどいにおいがするのですぐわかるらしいが
このように初めからくさいと
この時点ではどうにも判断しかねる

左は今日作ったもの
まだ何の変化もない
こちらは上手くいけばパンを作るのに使うが
右の方のは
発酵肥料つくりに使うことにする
食べ物も肥料も原点は同じというところが面白い

外では
収穫を終えたニガウリのつるを切ってペットボトルに差し入れ
ヘチマ水ならぬニガウリ水を採取中
本によると
このニガウリ水は化粧水代わりにもなるし
そのまま飲むと糖尿病に効果があるらしい
うちには幸い糖尿病の人はいないのだが
健康によさそうだから夫に勧めてみようかしら(笑)

だが問題はそれほど量が採れるのか?ということ
何しろ採取をはじめて半日も経っているのに
まだペットボトルの底2センチ程度しかたまっていない
本には1日で1リットルくらい採れるとあったのに
やはりこれが鉢栽培の限界なのだろうか

まあ大抵のことが本の通りには行かないものだから
少し出ただけでもマシと今から思っておこう

こうして
新しい試みをはじめるたびに
ドキドキしながら観察するものが増えていく
喜んだりがっかりしたり驚いたり感激したり
いつも忙しい

お庭では
あの挿し木成功第一号の赤いバラがついに開花した



淡い色調の花が多い中で
このビロードのような赤い色は実に目立つ
なかなかお上品なこのバラはいったいどういう名前なのだろう
これは切花で購入した際
お花屋さんに聞いてみたがわからなかった
それならばと
こっそり自分でLady Redと命名してみる

これはもちろん仮名でしかないが
もし自分で交配して作り出した新種だったら
堂々と名前をつけることができる
そう考えると
来年は交配に挑戦してみようかなあという気になる
わたしの思考回路は実に単純で
まわりはじめたら終わりがない(笑)

交配についてはすでに頭の中で
どれとどれをかけあわせようかなどと考えているので
必ず実行するだろう
まだバラの種まきにも挑戦したことがないというのに・・・

たいていまずこうして壮大な夢を描いてみてから
その後厳しい現実に直面し
自分の力量と照らし合わせて再出発するのが
ひとつのパターンになっている
それでもその試行錯誤の中からは
必ずいくつもの得るものがあるので
新しい試みは楽しくてやめられそうもない






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