あおげば尊し
このたび
息子は無事中学校を卒業した
卒業式の練習が始まった頃から
『あおげば尊し』はいい歌だねぇ〜と感激した息子は
父親にコピーしてもらったCDを自分の部屋でもかけている
このCDは
”CDつきマガジン 日本のうた こころの歌”シリーズの5巻目で
他に『蛍の光』など
わたしの年代には懐かしい別れの曲シリーズだ
いつの頃からかこういう歌は卒業式で歌われなくなったが
最近はまた復活しつつあるのだという
言葉が古いとか
歌詞に問題があるとか
言い分は色々あるだろうけれど
やはりいいものはいい
わたしは素直にそう感じる
人生の節目の式典について
格式ばらずもっと自由にという声もある中
校長先生が卒業していく生徒達を激励する祝辞や
在校生が卒業生におくる送辞
卒業生が今までお世話になった先生や保護者などにお礼を言う答辞
そして
昔ながらの歌があるこの伝統的な式典は
日本人がずっと大切にしてきた”礼節”を今日に伝える
非常に重要な機会ではないかと思う
二度と戻らないこの一瞬を
きちんと厳粛に受け止め
背筋を正してまた新しく踏み出すために
今までの自分にけじめをつける
ちょうど花嫁さんが実家を出る時
「今日までお世話になりました」
と両親にお礼を言うような
(最近の人がそうしているかどうかは知らないが、、)
そんな気持ちになる時を持つことは
やはりこういう厳粛な式典があってこそ実現するのではないか
と、わたしは思うのだ
今回の卒業式は
ざわざわした感じもなく
歌も一生懸命歌って
とても感じの良いものだった
あらたまって「ありがとう」とは言い辛い・・・
そんな思春期の子ども達も
こんな時には素直になれる
きちんとした式典は
やはり爽やかだ
式典終了後
クラスごとに教室で最後のホームルームの時間が持たれ
ひとりひとりがこれまでのこと
そしてこれからのことについて
短いスピーチをする
途中で泣き出す子もいて
まわりから「がんばれー」の声が飛ぶ
最後に先生へ花束を贈ってそれで終わりかと思ったら
急にみんなで歌を歌い始めた
この曲どこかで聴いたことがあるけど何だったかなぁ??
そうそう!これは小学校の卒業式で歌っていた歌だ
教室中に響き渡る歌はそれはそれはとても上手だったので
これはきっとずいぶん練習したのだろうと
後から息子に尋ねてみたら
どうやらぶっつけ本番だったらしい
3年前の卒業式で歌って以来
今までまったく歌う機会はなかったのだそうだ
それを突然全員で歌える記憶力!
若いって素晴らしい〜〜〜
と、感心したり驚いたり、、、
そして
この子たちホント今青春だねぇと
すっかり青春からは遠のいたおばさんは
うらやましく思うのだった
『あおげば尊し』の2番の歌詞
”身を立て名をあげ”というところは
現代にそぐわないということで
昔卒業式の定番だったこの歌も
だんだん人気がなくなったのだそうだが
名をあげるのはともかく
自分で自分の身を立てていくように
目標と向上心を持って歩む事は
とても大切だと思う
大事な自分の人生を
どうにでもなれ〜と投げて欲しくはない
今度行く高校の入学式は
娘の中学校の入学式と重なっているので
息子は一人でいくことになっている
本人いわく
「その方がいいねぇ〜♪」
きっと卒業式にも行かないだろうから
(わたしの母も来なかったので)
これでもう息子に関することは一段落というところだろうか
親はこれから学資を心配するばかり
あぁ、やれやれ。。
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