マイペースで




ぽかぽか陽気に誘われて
ライラックの花穂が伸びてきた
今年もまたたくさんの花が咲きそうだ
そう思うと嬉しくて
口を半分ぽかんとあけて木を見上げている
これから次々花が咲き始めると
こうしてわたしが呆けている姿が
毎日のように見られるようになる

先週は
以前から夫に頼んでいた花台が出来上がり
週末までには色を塗って・・と思いつつも
どうも体調が思わしくなくて困ってしまった
そうそう
こんな時には春休みで暇を持て余している息子を使うに限る!

 

この日は風が強くて
下に敷いた新聞紙がめくれて大変だったが
念願の花台は無事完成し
おさまるところにすっぽり収まった(満足満足)



そしてわたしの仕事は鉢を並べただけ^^
本格的な春を前に
またひとつ庭計画が進む

それにしても
たまに調子が悪くなるたびに
以前はもっと色々やれてたような気がするのだけど
と思うが
これはすでにわたしが年を意識しているということだろう

先週はタンスを移動しての大掃除もやっていて
その時懐かしい服が出てきた
これは10年前に縫ったわたしのワンピース
手芸店でハギレのワゴンに積んであった布を発掘し
柄あわせにものすごく苦労して作ったものだ



あの頃は義母がほとんど寝たきりになっていて
子ども達もまだまだ手がかかる状況だったが
夜11時になるとごそごそ布を出してきて
夜中の3時ごろまでせっせと服つくりに励むソーイングタイムは
わたしの最も好きな時間だった
小さな娘の服などは
ワンピースでも2日もあれば完成したので
色んな服を縫っては楽しんだものだ

普段特に年のことは何も思わずに生活しているが
この時代の事を考えると
まあ到底同じことはできないなあと思う
(こんな睡眠時間ではとてもやっていけない)
だからといって
今更若さと体力を取り戻したいとも思わない
せっかくここまで色々通りながら生きてきたのに
またやり直しはちょっと御免だ

そういう意味で
わたしは40歳になった時ほっとしたのを覚えている
適切な言葉が見つからないのだが
とにかく嬉しかった
以前教会を訪れた人がわたしの思いと同じ事を話すのを聞いて
世の中には似たようなことを思う人があるのだと
また嬉しくなったのを覚えている

30代まではまだ若いという意識があったせいか
同時に何かしなくてはという焦りもあった
じゃあ40代はもう年だからといって逃げるというのではなくて
何でも焦らずマイペースでやれるような気がするのだ
ちょうど自分に折り合いをつける年代なのだろうか
なかなか居心地が良いと自分では満足している

お庭をリニューアルした年は
ものすごく気合が入っていて
夏は毎朝5時から水撒きをやっていた
もちろん夜にももう一度散水する
それがだんだん横着になって
昨年の夏は水撒きは夜だけになった
それでも植物は枯れない事がわかったので
今年は更に”省エネガーデニング”をレベルアップすべく
色々と作戦を考えている

洋服つくりはやめてしまったけれど
お庭つくりは中途半端に止めるわけには行かない
自分のその時の状態に見合ったようにやり方を変えながら
焦らずマイペースで楽しんでいきたいものだ

よく自分で人生設計を立てて
何歳までにはこのようになっていなくてはと焦っている人がいる
また
そうなるはずだったのにと腹を立てる人もある
でも
色々焦ってみても嘆いてみても
結局はなるようにしかならない

とにかく焦らずマイペース

そう言いつつ時々人を見ては自分と比べたくなるので
こうして自分に言い聞かせてみる





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