それぞれの思い
今日は夫の誕生日
数日前から娘は
「もうプレゼントは用意してあるんだ〜♪」と
準備万端の様子
息子はというと
どうしようかとちょっと考えている
”お父さんを喜ばせるにはどうすればいいかな”
それぞれが毎年自分なりに考えるこの日を
わたしはいつも楽しみに見ている
今朝
おばあちゃんが焼いたケーキ台に
誰かがデコレーションしてくれればという話になったとき
「それやりたい!」と願い出たのは息子だった
「イチゴのたくさん入ったケーキにしたい」
というわけで一緒に買い物に出かける
その前にもうひとつ思いついた息子は
オレンジジュースで得意のゼリーを作った
小学生時代にはゼリーつくりに凝っていて
ダマのないなめらかなゼリーをつくるのはわたしより上手い
ささっと手早く作り終えてから出発した
お店では念入りにイチゴを選び
わたしがその他の買い物をしてレジに並んでいると
息子はいつの間にかレジの向こうのケーキ屋さんの前に立って
ケーキの並んだケースをのぞきこんでいる
そして
袋に買い物したものを詰めているわたしの側へ戻ってきて言う
「これでデコレーションの極意がわかったぞ」
・・・・・思わず大笑いっ!
帰ってからさっそくはじめてのデコレーションに取り組む息子は
ちゃっかり娘をアシスタントにして
生クリームの泡立てをやらせている
そして自分はケーキを3枚に切り
そこへたっぷりの生クリームとイチゴをはさんで
仕上げに全体にもたっぷりクリームを塗る
が、途中で生クリームが尽きてしまった
こんなこともあろうかともうひとつ生クリームを買っておいたので
娘がまた泡立てる
「早くしろよ、お父さんに秘密がばれないうちに作らないと」
息子がせかす
秘密って??と思ったら
見かけは普通のケーキでも
切ると3層にわかれており
生クリームとイチゴがたくさん入っているのを見せて
お父さんをビックリさせようと思ったようだ
こうして自分なりに”仕掛け”を考えたケーキは
なんとか出来上がった
「ねえ、買ってきたみたいだよ〜♪」
そう自画自賛しながら
ふたりでお膳を作るのを手伝ったり
ゼリーを取り分けたり
時々つまみ食いなどもして
にぎやかに準備は進んだ
ハッピーバースデーを歌ってから
娘がお父さんに渡したプレゼントは
自作の携帯のビーズストラップなどの小物を
自分なりに考えてラッピングしたもの
そしてお手紙も
今年はどうしようかな
今の自分には何が出来る?
そう考えながら
それぞれが自分なりに思いを表現するのを
外野で見ているわたしは
ちょっとどきどきしながら楽しんでいる
相手が親の場合は思いは十分伝わるけれど
大人になれば人と人との心のすれ違いも経験するだろう
それでも
心がこもっていたら何らかの形で思いは届くもの
そう信じて今の心を大切にして欲しい
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