バースデー
4月1日は夫の誕生日
その日にあわせて娘は
借りてきた刺繍の本とにらめっこしながら
せっせとプレゼント作りに励む
「お父さんにばれないようにそっと作らないとね」
当日びっくりさせたいらしい
息子は
3月になってから
インターネットでプラモデルの通販を検索している
「お父さんの誕生日にプラモを買いたい」
いつも金欠病なのになんとも律儀なこと
そういえば昨年も
父親の誕生日に戦闘機のプラモデルを渡していた
検索すれどなかなか思うようなものが見つからない
そんな時
目にとまったのが
ミニカーの”チョロQ”のバイク版”チョロバイ”
『YAMAHAマジェスティー』
夫が以前から欲しいなぁ〜といっているスクーターだ
憧れつつも乗れそうにない
そんな遠いものを見るような気持ちは
息子が一番よく理解しているのかもしれない
子どもたちのおこづかい日は毎月1日だ
春休みになった時点で
息子には当然所持金はゼロ
「前借はダメ!」といわれているので
どうしようかとそわそわしている
3月末
わたしの気まぐれということで
おこづかいを早めに渡すと
大喜びで買い物に出かける
これがそのチョロバイ
500円らしい
息子にとっては大金だし
「お父さんは気持ちだけで嬉しいから無理しなくても」
と何度も余計なことを言ってみたが
「どうしてもあげたいんだから」
と一歩も引かない
一方
わたしの昨年の誕生日は
二人ともすっかり忘れていた
ところが後になって気づいた子どもたちは
実にすまなそうに残念がった
娘はあわててメッセージカードを作ってきた
息子はどうしようもないのであきらめた
この二人の気持ちはとてもよくわかる
わたしも両親の誕生日には
必ず何か作ったりしたものを渡していた
親がそんなものを期待していないのは知っている
でも
どうしてもそうしたいからするのだ
それを忘れていたとなると
やはり心残りになる
母は最近まで
わたしが渡したものを持っていた
なんともずさんな作品を見て
思わず「こんなのもう捨ててよぉ〜」
と赤面したが
「でもすごく上手にできてる」という
ホントに捨てて欲しいが
多分まだ持っているような気がする
わたしも子どもたちからもらったプレゼントはとっている
これは息子が保育園の時(4歳)に作ってくれた指輪
金銀の色紙を使い
セロテープでべたべたはって作っているが
これがなかなか上手いじゃないかと
実に感心したのだった(親ばか)
娘は毎回メッセージカードに
「○○才のおたんじょうびおめでとう」
と書いていたが
40になった時から
年齢は書かなくなった
理由は
「お母さんが気にするかもしれないから」
う〜ん、なんて素晴らしい気配り!(笑)
さて
わたしも夫の誕生日に何か・・・
と思って
久しぶりに紅茶シフォンケーキを焼いてみる
もう3年くらい前だろうか
このケーキに凝っていた時期があって
多いときは3日に一回作っていた
久しぶりに作ろうと思ったらレシピがない
こういう時インターネットは実に便利だ
”紅茶シフォンケーキの作り方”
このレシピは以前作っていたのに似ている
シフォンケーキは最後に
メレンゲの泡をいかにつぶさず生地に混ぜるかがポイント
そこは経験がものを言う
そのタイミングは今もちゃんと覚えていた
夫が今日これらの写真を撮りながら
「こういう”気持ち”っていいもんだねぇ・・」
としみじみ言う
子どもたちがいつまでも
”気持ち”を持ち続けてくれたら
親としてはこの上なく嬉しい
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