今週のみことば


1月20日
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「すべてのイスラエル人が王を立てるためにシケムに集まって来るというので
レハブアムもシケムに行った
ネバトの子ヤロブアムはソロモン王を避けて逃亡した先のエジプトにいて
このことを聞き、エジプトから戻って来た
ヤロブアムを呼びに使いが送られて来たので
彼もイスラエルのすべての人々と共に来て、レハブアムにこう言った
『あなたの父上はわたしたちに過酷な軛(くびき)を負わせました
今、あなたの父上がわたしたちに課した過酷な労働
重い軛(くびき)を軽くしてください
そうすれば、わたしたちはあなたにお仕えいたします』
彼が『三日たってからまた来るがよい』と答えたので、民は立ち去った」
(歴代誌下10章1-5節)

9章の終わりでソロモンは死に
その子レハブアムが
ソロモンに代わって王となったことが記されていますが
ここ歴代誌では
ソロモンの晩年については触れていません
一方、列王記上11章では
ソロモンの心が女性に惑わされ
やがて神から離れて偶像に向かっていったことにより
イスラエル王国は2つに分かれていくことが宣告されていました
(これについては2017年6月17日に書いています)
そして
ソロモンの死後
早速イスラエルは分裂へと動き始めるのです

ソロモンの息子レハブアムが次のイスラエル王になるにあたって
イスラエルの民は労働が軽くなることを願い出ました
そうすれば自分たちはソロモン王の時代のように
レハブアム王に仕えるというのです

ソロモンの父ダビデの時代に
イスラエルは強く、豊かな国になりました
その頃のイスラエル王国では
ダビデ王自身が戦いの中で苦労しており
自分についてきてくれる民衆を大切に扱ったので
民の暮らしぶりも良かったようです
しかし
ソロモンの時代になると
王家と一般民衆の生活には大きな差があり
民衆は過酷な労働を強いられるようになっていました
そのため
レハブアムが次の王になるなら
この労働を軽くしてほしいと願ったのです

この時イスラエルの民の中心になったのは
ネバトの子ヤロブアム
彼は元々ソロモンの優秀な家臣でしたが
預言者アヒヤから
王国分裂後の北イスラエルを統治する者となるとの予言を受け
ソロモンに命を狙われてエジプトに逃げていました
それがこのたびソロモン王が死んだというので
イスラエルに帰ってきたのです

ヤロブアムはイスラエルの民に呼ばれて
レハベアムのところへ行って一緒に交渉しました
そこではレハブアムは即答せず
三日後に返事をすることにして
父ソロモン王時代の長老たちに相談します
彼らの考えは
「もしあなたがこの民に優しい態度を示し、好意を示し
優しい言葉をかけるなら
彼らはいつまでもあなたに仕えるはずです」(7節)

と答えましたが
レハブアムはその勧めを捨てて
自分とともに育った若者たちに相談したのです

ソロモン王も父ダビデが築いた豊かな王国の中で
豊かな暮らしをして育った王ですが
ソロモン王の子レハブアムはさらに豊かな中で育ち
民衆の苦労など何も知らないわがままな人でした
そして
彼とともに育ち彼に仕える若者も同様に
苦労知らずの人たちでしたから
そんな彼らの意見は
民衆の願いを却下することで一致したのです

「あなたの父上が負わせた重い軛(くびき)を軽くせよと言ってきた民に
こう告げなさい
『わたしの小指は父の腰より太い
父がお前たちに重い軛を負わせたのだから
わたしは更にそれを重くする
父がお前たちを鞭(むち)で懲らしめたのだから
わたしはさそりで懲らしめる』」(10-11節)


レハブアムはその豊かで自由な生活の中にあって
王は予言者を通して神に聞き
神によって教えられて国を統治するものであることを
何も学んでいませんでした
祖父ダビデのように
神を求め、神に聞くという秩序はすでに崩れており
レハブアムは自分にとって都合のいい
若者たちの無慈悲な意見を採用します
その結果
イスラエルの民の心はレハブアムから離れ
王国は分裂するのでした

「エシュルンはしかし、肥えると足でけった
お前は肥え太ると、かたくなになり
造り主なる神を捨て、救いの岩を侮った」
(申命記32章15節)


これはモーセがイスラエルの全会衆に向けて歌った言葉です
エシュルンとはイスラエルの別称で
彼らは豊かになると神を足蹴にし
神を捨てるのだと記されているように
レハブアム王も
豊かな生活の中で
もはや神を求めることもない状況だったようです
そのうえ
”わたしの小指は父の腰より太い”
自分が父ソロモンよりも偉大であるとの表現を良しとするような
非常に傲慢な王でした

困ったときは神に頼っても
自分が大きくなると神を足蹴にする
人はそのようになりがちで
一方
どんな辛い状況の人であっても
神に用いられる人は恵まれる
信仰の世界は実に単純明快です

信仰者は神に聞き
神に立って歩み
自分の歩みを常に正していくこと
その基本を忘れず
豊かさの中で神を捨てる人々の愚かさから
人の弱さを学び
人生が恵まれるために何をなすべきかを
教えられていきましょう



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