<<霧笛>>

まだ貴方に伝えたい

大嫌いだなんて見え透いた嘘を

信じてしまう貴方を

まだスキな僕が居るから

白い服がよく似合う君は

海の近くの家に住んでた

海岸から見える夕日がスキだと

笑顔で語る君の方がスキだと

言えない僕がいつも隣に居た

少し汚れた方が人間らしいと

初めに言ったのは誰だろう

君はそんな言葉知らないくらい純粋で

僕には眩しすぎて壊したくない

角の折れた箱を持ち出して

真っ直ぐ海岸へ走った

途中から雨なんか降り出して

箱のほこりが落ちていく

君の真っ青な傘が見えて

僕の視界はぼやけていく

雨の海岸でたたずむ君は

傘よりも青白くて崩れそうで

現実が押し寄せてくる

君が居なくなる事を教える

霧笛の音が別れのBGM

またねと君が言ったから

サヨナラは言わなかったよ

僕の居る此処に帰ってくる事を

ずっと信じていたいから

もう一度この海岸に君の奏でる

あの霧笛の音が響くまで