平成13年12月22日(土)・24日(日)の2日間,
因島市立重井中学校を会場として,
「鋸の目立て」「砥石の世界」「新学習指導要領」を主たるテーマに,
県内外の技の魅力にひかれる技術家庭科指導関係者が参集して行いました。


◆  砥 石 の 世 界  ◆

京都の砥石工業所の社長さんから天然砥石の話。
2億5千年前,古赤道付近からプレートにのって
1年に数センチメートルの速度で日本列島に近づき,
隆起したものと推測されているそうです。
天然砥石の登場は,
鎌倉時代にはいったころではないかと
言われています。
木造建造物等の削りが鎌倉時代を境に
変わってきているそうです。
表面の見た目と手触りをルーペで比べて見ています。

黒板の塗料も砥石の粉でできていること
知ってましたか?
天然だからこそ,
一枚一枚,形や色,厚さが違います。

各層ごとに地熱で焼けた跡が残って
天然砥であることを象徴しています。
実際に刃物をあて,試し研ぎをして品定め。
刃物と砥石の相性を確かめながら,
自分の好きな砥石を格安で売っていただきました。
砥石の基礎トレーニングは荒砥・中砥。
ここで大事なのが平面を水面のごとく水平に!
GC400番で水平に砥面を仕あげます。

研ぎ台の高さは,身長の半分くらい。
荒砥・中砥で刃先を水平に仕上げない内に,
合砥石(仕上げ砥石)に移ってはいけません。

各指の筋肉バランスを身につけるには,
ストロークの練習を繰り返すしかありません。
持ち方も個性に合ったように細かく指導。
小指の使い方がポイント。
刃先の角度を決め,力を入れないように!
刃先が逃げてしまうそうです。
「地金を削る音」
「鋼を削る音」
を聴き分け,同時に鳴るように削ることがポイント!

砥石中央が凹部になりやすいので,四隅を意識して
うまく利用することが大切
刃先の面が水平に,角度が決まったら,
研ぐ作業から合砥石で磨きの作業へ移ります。
力をぬき,砥面を滑らせるように!

水の調整も大事なことであると知りました。
かえり刃は仕上げの過程で
自然にとれるものだそうです!



★ 新学習指導要領についての研修 ★

指導主事の先生方から,新学習指導要領を
細かく解説していただき,
技術家庭科における指導と評価について勉強しました。

指導内容と指導項目を分析し,目標に準拠した評価が
できるよう,しっかりした技術力や本物の技を身につけて
おくことが責任ある教科指導だと実感しました。