top pageへ.

Review.

History.

過去のMovieレビュー 2008.

純喫茶磯辺.

(2008/10/12)
 私の住んでいる街から電車で1時間以上離れた街まで行って観てきました。
 初めての劇場の印象は「長っ、スクリーン小さっ」。収容人数50名くらい、1列5席×10列ほどの奥行き方向に細長い劇場でした。幅がないのでスクリーンも小さめ、金持ちのプライベートシアターといい勝負です。
 それでもこの劇場の席の半分は埋まっていたでしょうか。観客の年代は20〜50代くらいでバラバラでした。

 映画の方はというと、多少なりと期待してたせいもあるでしょうが、正直期待外れでした。ストーリー、カメラワークなど、全体に昭和の雰囲気が臭ってきます。見せ方が使い古された昔のものに感じます。このところテンポの速いハリウッドのドンパチものばかり観てたからか、進行もすごく遅くて「観てるんだ」という緊張感を保てません。間のとり方が長すぎに感じてしまい、退屈にさえ思えてきます。
 おまけに大した「オチ」もなし。主張もはっきりせず、何を伝えたくて作った作品なのか、十分理解できませんでした。

 話がかなりそれますが、スピルバーグやジェームス・キャメロンの映画は、ドンパチやなんやらで観客を集めるとともに映画への集中を維持させておいて、作品の中に忍び込ませた主張を観客に見せている点で、優秀だと思います。ジュラシックパークのような失敗作があるのも事実ですが。
 ジュラシックパークの主張は『「恐竜は鳥類へと進化した」という学説を支持している、単に滅びたのではない』ということだと思うのですが、それがわかるのはラストのヘリで脱出したシーンでのセリフくらい。これじゃ気がつかないよ。

 よかったのはミッキー・カーティスさんの起用。常連客でいつもカウンターの一番手前に陣取っているし、宮迫より「喫茶店のマスター」っぽいので、何度も店のマスターと間違われます。最初は「ありそうだね」という感じですが、2回目・3回目は「またかよ」で笑えます。


アイアンマン.

(2008/10/01)
 最近公開される映画はドンパチものが立て続けです。その中から2つ目のセレクトは「アイアンマン」。またしてもアメコミ出身のヒーローものになってしまいました。開始1分でいきなりトニー・スタークは拉致されるは、戦闘機に追い回されるわ、悪役のそっくりさんと格闘するわで、かなり暴れ回ってくれます。
 最初に洞窟で作ったプロトタイプは、思わず「これじゃないロボ」を思い出してしまいました。なんか格好悪くて。ヒーローじゃなくて悪役っぽい色づかいだし。でもそれは後半への伏線だったりします。(ちょいネタばれ)

 今回のお目当ては秘書ペッパー・ポッツ役のGwyneth Paltrowです。「恋に落ちたシェイクスピア」からもう10年、スクリーンで見ると年を感じるようになりましたが、36歳の今でもきれいです。もちろん演技の方もGood。最近見ないような気がしたのですが、結婚・出産後も変わらず女優業を続けているようです。

 兵器マニアにとってもちょっとうれしいことに、実在する兵器がそこそこ出てきます。わかりやすいのは

 以下は一瞬だったり、小さくしか出てこなかったりなどで、自信がないもの。

 残念なのは実在する兵器が出てくるシーンで現実離れした点があること。飛んでるアイアンマンを撃ち落としたのが戦車なのですが、戦車が真上に近い位置の標的を狙えるわけがなかったり。アイアンマンの被害がほとんどなかったので、側にいた別の兵器が攻撃したとでも解釈しておきましょう。でも冒頭に出てくる新兵器「ジェシカ」は、今となっては旧式の対空ミサイルMIM-23「ホーク」にそっくりで幻滅します。

 スーパーマンなど古いアメコミのヒーローは勧善懲悪でわかりやすいのですが、バットマン/スパイダーマン/デアデビル/ブレイドなど近年のアメコミのヒーローはちょっと複雑な事情を抱えてどこか暗い一面があるのが共通点のように思います。
 しかしトニー・スタークはセレブです。明るいです。兵器産業にかかわってきた過去(?)も、ジョークを交えながら「本気か?」といいたくなるような言動に変えてくれます。この決断力にはどこぞの政治家も見習って欲しいものです。

邦題は「鉄男」でお願いします。


ダークナイト.

(2008/08/11)
 バットマンシリーズを劇場で見るのは、記憶にある限り初めてです。まだ公開直後なのでネタばれしない程度にします。

 見終わった後に最も強く残った印象ですが、他のシリーズものと同様の、シリーズものの限界を感じます。前作を超えよう、観客の裏をかいてやろうという意図がはっきり見えすぎますし、都合よく話が進みすぎる点も興ざめします。エンターテイメントとしての映画は2時間がちょうどいいと思うのですが、それを大きく超える2時間40分という長い上映時間が、やりすぎ感を強調しています。
 バットマンやブレイドなどでは、新作が出る度に新しい武器にも期待しますが、武器や道具にあまり目新しさがない点もいまひとつ。裏のかきかたも、どこかで見たような手口ばかりで、だいたいは予想できてしまうものでしたし。でもフェリーの中での囚人のボス格のやつはGoodでした。

 予定外の映画を見に行ったのが良くなかったのでしょうか。いまいとつ感心できませんでした。
 しかしネタばれを避けながら書くのは難しい...

ダークな意図?


▲page top.
Copyright 2005-2008, yosshie.